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動物福祉(アニマルウェルフェア)ってなんだろう?動物愛護との違いと生産現場を知って選んでいきたいこと

動物福祉(アニマルウェルフェア)ってなんだろう?動物愛護との違いと生産現場を知って選んでいきたいこと

みずのくるみ
みずのくるみ

今回参加させてもらった講座は、日本獣医生命科学大学 教授 植木美希先生の「動物福祉(アニマルウェルフェア)とは何かー日本の現況と課題」という講座です。

この講座シリーズでは、4回(11・12・1・2月)に分けて、日本獣医生命科学大学の女性研究者が犬猫などのペット動物の健康と保護、家畜(産業動物)の健康、日本における動物保護の現況と課題等を解説します。

次回は12/3(土)です。ご興味ある方はご覧ください。オンラインとオフラインのどちらでも受講できます。

動物福祉(アニマルウェルフェア)とは何か

さて今回の講義の内容は、動物福祉(アニマルウェルフェア)とはどういうことかという基本的な内容でした。大学時代の授業で少し触れていたこともあり、とても興味深い内容でした。

「福祉」というと、動物より人のことを想像する方が多く、「動物福祉」は、日本ではなかなか浸透していない考え方だそうです。確かに聞いたことはあるけど実際どんな活動のこと?それを仕事にしている人はいる?などの疑問が湧いてくるなと感じました。

動物福祉の考え方は、イギリス、ドイツなどEU諸国で広まっており、講義の中でもEUの動物福祉団体の活動や本の紹介がありました。動物福祉では、動物にとってなにが良いのか、動物を主体にしていて、動物が健康で幸せに生きられることを大事にしながらも、人が動物を利用することまでは否定していません。

日本では動物愛護の考え方が強い傾向にある

なぜ日本では動物福祉の考え方が広まっていないのかというと、動物福祉よりも「動物愛護」の考え方が強い傾向にあるからだそうです。愛護は人を主体にしていて、「愛する、護る」という意味があるように、人から見た動物に対しての行為や思いです。そのため国や宗教、個々の経験やによって捉え方が大きく異なり、日本でも曖昧な状態となっているようです。

動物福祉では動物が健康で幸せに生きられることを叶えるために、5つの自由が定められています。

5つの自由=①飢えと乾きからの自由 ②不快からの自由 ③痛み、傷、病気からの自由 ④通常行動への自由 ⑤恐怖や悲しみからの自由

私も動物福祉と動物愛護の認識が混ざっていたので、区別して考えていくことが大切だと思いました。

動物愛護の観点だと、牛の飼い方に対して、狭くて可哀想だから牛舎飼いはやめろ〜と思うかもしれません。だた、牛舎飼いでも放牧でもいろいろな飼い方があります。牛が自由に動けるスペースを十分に取っている牛舎飼いもあるし、放牧で気持ちよさそうに見えても、夏は暑いし、雨や雪が嫌だなぁと思ってる牛もいるかもしれません。また、放牧は危険なことが多く、倒れてきた木に潰されて亡くなってしまう牛もいるといいます。

動物福祉、動物愛護、どちらからも様々な意見があると思いますが、私はどっちかが正解でどっちかが間違っているという考え方ではなく、どちらの意見も踏まえたうえで、あなたどう考えますか?と伝えられる人になりたいと思いました。そして動物福祉の考え方が広まっていくといいなと思います。

飼育方法を考慮して食品を選ぶこと

EUでは鶏卵に飼育方法を番号で示すことが義務付けられているそうです。スーパーにも番号の説明が書いてあり、消費者はケージ飼い、平飼い、放牧、有機のどの飼育方法の卵かが分かる状態で購入できる仕組みになっています。この結果EUのケージ飼いの卵の数は年々減ってきているというデータがあるということも講義で学びました。

思い返して見ると、大学生時代にオーストラリアに行った時、オーストラリアのスーパーには平飼い卵ということが分かるように陳列されていたり、放牧で育ったお肉にはシールが貼られていたりすることを現地の方に教えていただきました。それは飼育方法を考慮して食品を選んでいる人が多いということを意味しています。

その点、日本では1番安い卵が「お買い得!」というように陳列されており、平飼い卵は端っこの方に少しだけ売っているような状態のスーパーが多いと感じています。スーパー側も商品を売りたいので、仕方のないことだと思いますが、消費者に動物福祉の考え方が広まれば、多少値段が高くても飼育方法を考慮した商品を手に取るようになるのではないかと思います。

これは鶏卵やお肉だけでなく、野菜にも関わってくることだと私は感じていて、消費者が生産現場のことを知らなすぎることが問題なのではないかと思っています。

だから私はもっとたくさんの人に農業や畜産の世界を知って欲しいし、自分が普段食べているものに興味を持って欲しいなと感じています。

作り手がわかる野菜達

少し話はそれてしまいましたが、動物福祉については私ももっと海外の事例や取り組みなどにも目を向けて、何かできることはないのかということを考えていきたいと思います!続編の講座も楽しみにしています。

Writer

みずのくるみ

休日に牧場や畑で癒されている人。2023年春から農家さん巡りの旅を予定しています。
食べることが好きで、一次産業に興味があります。大学時代に畜産を学んでいたことがきっかけで、牛好きに。「一次産業の魅力」を伝えるために何ができるか試行錯誤中。

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