生きものにやさしい、豊かな暮らしと生き方

ふしぎな たね

ふしぎな たね

作:安野光雅 /出版社:童話屋

えほん食堂
vol.06
ゆざわちはる
ゆざわちはる

1個食べれば1年間はお腹は減らず、1個地面に埋めれば翌秋、必ず2個の種が取れるという。その種を2個もらった怠け者の男は、どうしたかというと…

さあ、この種をあなただったら、どんなふうに使いますか??

種から芽が出て花が咲き、実がなり種を落とす。
すごく当たり前のことに思えるけれど、このことを最初にみつけて種を撒き、食物を育てることを始めた人がいたから、今の私達の生活があるのかもしれません。

本書は全7作品ある「美しい数学シリーズ」の中の1冊で、読みながら子どもたちに、数の概念や数えることの面白さを楽しく体感してもらえる作品で、数字に興味を持ち始めた子にはぴったりなお話。

けれどそれだけではなく、 種を育てることにより変わり、発展してゆく暮らしや、人と人とが助け合いながら生きる姿なども、何気なく描かれているんです。

そして、生きることは、命を育むことは、自然のチカラ無くしては成り立たないということも、しっかり伝わってきて、読み終わる頃には、ひとつぶの種がもたらす大いなる恵みに、心から感謝と祈りを捧げたくなります。

私達が毎日、口にする食事には、こうやって命をつなぐ『ふしぎな たね』のチカラが必ず含まれている。そんな種が身の回りにはどのくらいあるのか?
大切な人たちと一緒に食卓を囲みながら探したり、話してみるのも楽しいかもしれませんね。

Writer

ゆざわちはる

はるいろ木かげ/絵本自感コンダクター
2016年より”大人にこそ絵本”を広める活動を開始。読み聞かせてもらうことの心地よさや、そこに生まれた自分の想いに寄り添う時間(自感)を楽しめる場づくりを続けています。幅広い年代に向けた読み聞かせ活動や、子育て中のママ向けに勇気づけ絵本セラピー®等も実施。基礎絵本セラピスト・元舞台役者。小学生女児の母。

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